2018年12月21日から28日まで、クリスマス休暇を利用してギリシャを訪問してきました。
12月28日、今回のギリシア旅行の最終日です。
起床してすぐにパルテノン神殿が見えるのは、素敵な一日の始まりです!
この朝は少しのんびりと過ごし、8:40にホテルを出て、シンタグマ広場まで歩きました。
国会議事堂前の「無名戦士の墓」の前で、9:00から行われる、衛兵の交代式を見に来ました。
この衛兵交代は毎正時に行われており、日曜日の10:50からは大規模な衛兵交代式が行われるそうです。
衛兵交代式を見た後は、地下鉄でオモニア駅に移動し、そこから北上して「国立考古学博物館」に行きました。
ここでは、ギリシアで発見された古代からの出土品が展示されています。
ギリシアと言えば、人物像。(?)
まずはアルカイック期(紀元前9世紀~前480年頃)の彫像が並びます。
この時代は、正立した人物像が多く作られています。
なお、紀元前480年は、ペルシアのクセルクセス1世の30万の兵に対し、スパルタ王レオニダスが300人を率いて奮戦した後玉砕したテルモピュライの戦いのあった年です。
ペルシア戦争後、アテナイを筆頭にギリシアの諸ポリスが経済発展し、芸術も大いに進化します。
この時期はクラシック期(紀元前480年~前323年)と呼ばれています。
なお、紀元前323年は東方大遠征を成し遂げたアレクサンダー大王が亡くなった年で、彼の死後ヘレニズム期と呼ばれます。
写真の「ゼウス(またはポセイドン)像」は、紀元前460年頃の作ですが、写実的で躍動感にあふれています。
展示は変わって墓石のコーナーです。
右の写真はワインの壺をかたどった墓石。
いずれも、紀元前420年ー410年ごろの作。
左:紀元前400年頃のアフロディーテ像。
右:同じく紀元前400年ごろの女性像。
いずれも、服のひだまで細かく描写された、躍動感のある像です。
彫像は、この時代で完成していますね。
メイン展示室の横に、アテナ像を集めたエリアがありました。
やはり古代アテナイの祭まつわれた、ったアテナ女神は別格なのでしょう。
左;パルテノン神殿に建っていたアテナ像のコピー。(紀元3世紀前半の作)
右:別のコーナーにあった像で、アテナ像と思いましたが、アルテミスに捧げられた像だとの事。
これも紀元3世紀前半の作。
これも紀元3世紀前半の作。
左:紀元5世紀の墓石。
右:紀元前300年ごろのオリジナルを、紀元前2世紀に模した女性像。
衣装のひだの描写が細かいです。
紀元前140年頃の「馬に乗る少年」の像。
躍動感溢れる像で、この博物館の目玉のひとつです。
でも少年、小さすぎない?
続いて、ミケーネ文明(紀元前16世紀―前11世紀頃)の展示です。
上の写真は、「アガメムノンのマスク」と思って写真を撮りましたが、違っていました。
こちらが「アガメムノンのマスク」。
でも、近世の研究では、これはアガメムノンの物ではなかっただろうとの事です。
牛の頭の形をしたリュトン。
頭頂部の花と角が金メッキとなっています。
美しい装飾の入ったダガー。
本当に、紀元前十数世紀のものなのでしょうか?
「The Countless Aspects of Beauty」という特別展示を行っていました。
「美についての無数の様式」みたいな意味かな?
左:アフロディーテの誕生(紀元前4世紀頃のものを模した製品。紀元2世紀頃)
右:若い女性の立像(紀元前175年ー150年頃の作品)
シビ○ではなく、昔の香油を入れた容器。
ミケーネ時代に書かれた製法で作ったそうです。
香り一つの美の様式と言うわけですね。
左:キクラデス文明の女性像(紀元前2800年―2300年)
中:デロスで発見された若者の像(紀元前100年ごろ)
右:マラトン沖の海で発見された若いアスリートの銅像(紀元前340年-330年)
美の様式の展示はここで終わり。
クレタで発見された出土品をイメージして作った洋服。
右は紀元前18世紀、左は紀元前15世紀の出土品からのイメージ。
テラの遺跡で発見されたフレスコ画(紀元前1700年頃)のイメージから作った船の模型。
この模型は、国立考古学博物館の設立150周年の記念に、ドイツのハイデルベルグ大学によって作られたそうです。
右はアンテロープ(レイヨウ)の壁画。
鮮やかな色が残っていると思いましたが、よく見ると、出土した部分は少しで、ほとんどが想像図ですね。
このフレスコ画の出土場所を控えてくるのを忘れてました。
アクロポリスで発見されたマイナス(ギリシア神話)の像。
マイナスはワインと泥酔の神であるディオニソスの女性信奉者で、酩酊と酩酊から来る狂乱のイメージです。
この像は、酩酊し寝ているのでしょうが、色っぽい。(笑)
古代ローマのハドリアヌス帝の時代(117年―138年)の作。
この像は、エーゲ海で発見されたそうです。
11:40に考古学博物館を退出しました。
9:40に博物館に着いたので、2時間の見学時間でした。
飛行場に行く時間が近づいていましたが、飛行機に乗る前にオモニア駅からピレウスに行って来ました。
12:25にピレウス駅に到着。
ピレウスはアテネの南西約10kmに位置し、古代からアテネの外港として栄えた町です。
古代には城壁で守られた街道でアテネと結ばれていました。
現代のピレウスは古代のイメージは全くなく、大型クルーズ船が停泊する近代的な港町でした。
このまま、船に乗ってどこかに行きたいです!!!
これが高層ビルの並ぶピレウスの町。
駆け足で、ピレウスの港と、その風景を見て、アテネに戻りました。
オモニア駅に戻り、荷物を取りにホテルに向かいますが、いつも歩くアティナス通りではなく、一本東のエオルー通りを回ってみました。と、コツィア広場で古代ギリシアの遺跡を発見!
古代アテナイの城壁跡のようです。
広場の東側の建物。市庁舎かと思いましたが、何かの博物館のようです。
近代的なビルの入口に、アテナイのみどりを至急結果をまとめます。
なお、市街の「アーレニアン門」の遺跡がありました。
エオルー通りにはガラスで覆われた遺跡が並んでいます。
中央市場を抜けて、ホテルに向かいました。
中央市場の東側は、肉屋が並んでいましたが、豚やら鶏がそのままの姿で吊るされており、ちょっとエグかったです。
中央市場の西側は、野菜や果物の屋台が並んでいます。
ホテルで預けていた荷物を受け取り、13:20にモナスティラキ駅から地下鉄で空港に向かいました。
長かったギリシア旅行もいよいよ終わりです。
予定を少し遅れ、17:00過ぎにテイクオフしました。
飛行場で見かけたアントロポフ輸送機です。
初めて見ましたが、やはりでかいです。
(もしかしたら会話はロシアで見たかな?)
ギリシア半島と、その先にネグロポンテ(エヴィア島)が見えています。
ネグロポンテは、かつてヴェネチア共和国が統治していた時代の呼び名。
15世紀のオスマン帝国との戦争時にオスマンに奪われました。
ギリシア北部には頂に雪の残る、高い山が連なっていました。
その先にはネグロポンテの島が続いていました。
ギリシア北部の山岳部。
意外と(失礼)、飲みやすかったです。
アドリア海東岸の風景。
もう少しでドブロブニク上空と思いカメラを構えていましたが、丁度手前で日没→暗くなり撮影は出来ませんでした。
飛行機は18時過ぎにミュンヘン空港に着き、この度も終わりました。
今回は古代ギリシア~ローマの歴史を持つアテナイ、中世の軍事拠点であるロードス、コルフと、塩野七生ワールドを堪能した旅行でした。
冬で天気が心配でしたが、寒さはとも角、雨がほとんど降らずに良かったです。
これでギリシア旅行の紹介を終わります。